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旅の人生88ヶ所めぐり

忙しくても、自分の行きたいところへとにかく行こう。行きたかったところを、一つずつツブして(かなえて)いくのだ。ある地へ行ったことが、その後の人生に影響することも多い。旅に憧れるロマンチストは、そうして自分だけの旅の人生遍路を辿り、完成させていくことで、自分の人生を極大まで充実(即ち満願成就)させたいと願う。ここでは、私のささやかな八十八旅を、自由にクロスさせながら拾い上げていきます。

ケラマ 島旅~嵐とともに 引揚げ船の旅~

ホテルの入り口近くにそのまま置いてあった荷物を持って、われわれは港へ急いだ。
僕は14時出立の予定が1時間早くなっただけなのだったが、気持ちも何とも慌ただしい。
早めに港へ行っていないと、切符も買わなければならないし、台風前の最後の便だ。混雑するのは目に見えている。
みんなはさっさと乗り場へ向かったようで、誰かがちゃんと切符も買ってくれたようで。
乗り場は人でいっぱいだった。いつもぎりぎりまで何かマイペースでやってる僕は、時間が決まった行動をとっているとき、しばしば周りの人を焦らせるようだ。自分としてはすごくきちんと、ちゃんと時間にぴったり合わせて行動しているのだが、ぎりぎりなので本当に間に合うのか、周りの人からすればわからないので、心配になる(心配してくれる)のだ。
だがこのときはさすがに気心知れた同期の仲間。誰も心配して待つ、ということもなく、みんな勝手に船に乗り込んでいた。甲板に、デッキに並んだ座席の脇に、あるいは下の階に、それぞれ自分の居場所を見つけて座り込んでいた。
僕はというと、この島に到着した時から、出したい出したいと思っていた絵はがき、座間味の海の写真の絵はがきを、やっとここで、売店前のポストに投函してから乗り込むことができた。良かった―。間に合った―…。
ただ投函するだけならすぐできる。僕はこの、船が出るギリギリの時になっても、まだはがきを買い足し、息子や娘たちにひとことずつしたためて、それぞれに1枚ずつ、船の出る1時寸前に書き上げた。というか、寸前で打ち切って、船に急いで乗り込んだ。アッ、シマッタ。一部に座間味の記念スタンプを押すのを忘れて出してしまった。ちょっと悔やまれたが、もう、諦めるしかない。(後日、このときの絵はがきが我が家に着いたのを見たら、あろうことか、消印はあの座間味ではなく、那覇なのであった。那覇へ着いてからちゃんと書いて出しても、結果は同じだったのだ。)

嵐の前に さらば座間味よ


帰りのフェリーは、まさに引き揚げ船であった。
大陸から着の身着のまま引き揚げてきた人々は、こんな思いをして、いや、もっとずっとひどい思いをして国へ帰ってきたのだろうな、ということを初めて考えた。
台風が近くまで接近しているのだから当然、大波が次々と来たって船をたたく。船は大きく揺れる。
昔、1万トンの船で台湾・香港(・マカオ)・韓国へ行ったとき、どんなに揺れても平気で船内レストランのフルコース料理を平らげていた僕が賜ったあだ名が「フルコース旅途」(旅途、のところは僕の本名)。
そんな僕でも、いい歳になったせいもあろうが、少々気分が悪くなりかけるほど、おおきな波がゆーっくりゆーっくりと船を押し上げていた。
船内はもちろん人でいっぱい。足の踏み場もない、と言ってよいくらいだ。船室内の通路も、階段の途中も、どこもかしこも座り込む人たちで占められており、通行もままならない。修学旅行なのだろう、学生も大勢乗っていて、なかには中身の入ったビニール袋を手に握りしめているかわいそうな子もいる。こんな光景を見たのは小学校時代、学校から行ったバス旅行以来だ。
と書くと、引き揚げ船の悲惨・陰惨なイメージを描かれてしまいそうだが、実はそんな感じは意外となく、そこはやはり現代の船旅の光景。デッキに波しぶきが打ち寄せれば「わーっ!!」と一斉に逃げ出すさまもどこか明るい。座り込んでいる人々も、床に寝転がっている人たちも、半ばあきらめた表情で、スマホをいじったり、時に隣りの家族や友人知人と会話したりしながら、その姿勢を続けているのであった。

はじめのうちは僕も仲間とともにデッキに出て、去りゆく島の様子を眺めたり、大海原から遠くに見える島々を目で追ったりして、旅の終わりをしみじみと味わっている余裕もあった。しかし、外洋へ出れば波も強烈だし、いつまでたっても同じ海の景色と船内の状況が続くとなると、だんだんうんざりしてくる。
それでもしかたなく、引き揚げ船の旅は約2時間続き、やがて午後3時前。船内放送で気が付くと、港の建物の横をフェリーは通り過ぎてゆくではないか。ようやく那覇・泊港に着いた。

ここでわが仲間は4人とも、那覇市内のホテルへ向かうため、「とまりん」を出てすぐ、タクシーを拾って去った。
別れる前に泊港(とまりん)の波止場で記念撮影。
それと前後して、それぞれとまりんの待合で、コンビニ行ったり家に電話したりトイレ行ったり。それがひと通り済むと、さあ出発だ。4人の今日の宿は、そうこうしている間に、ようやく安価で確保できたものだ。台風でどこも満室なのかと思ったが、会社の福利厚生倶楽部の提携ホテルを、しっかり確保できたようだ。僕はひとりこれから帰るのだし、足(帰りの飛行機)は今日のところはまだ安心。4人こそ、今日は1泊しても、明日の飛行機がちゃんと飛ぶのか、定かではない。が、明日朝の便で即、帰ってくれば問題ないのだろう。全日空のチケットも、取れているからまずは安心だ。

僕はとまりんを出てすぐの交差点で、みんなと別れて街の中心部へ向かってひとり歩いた。来た道を戻る格好だ。
荷物を入れ替えたいので、途中、喫茶店で一服。
荷物を整理するとすぐに出て、公設市場、国際通りを経て、県庁前まで歩いてきた。
道々、お土産屋を覗いたりしながら。沖縄の塩を買ったし、紅芋タルトも買い込んだ。
かつて喜納昌吉を聴いたライブハウスのビルの向かい側で、ちょいと(もう一度)一服。ひとりは気楽なもんだ。
コンビニで100円コーヒーを買って、一緒に買った塩ちんすこうをつまみながら、国際通りを行く人たちや通りのにぎわいを眺めながら、路上のベンチで短いが満ち足りた時を過ごす。
この短い時間こそ、今回の旅の仕上げを実感した時だった。

来た時と同じように、再び「ゆいレール」の人となり、17時35分、那覇空港に到着。
18時05分発予定のANA便、機材はB767-300、とメモがある。15分遅れて出発。名古屋(中部国際空港)には4分遅れの20時14分、無事到着した。
やれやれ… 帰ってきたぞ。ほっとしている自分に気付く。
ことしのメインの旅が、まもなく終了しようとしている。
名古屋方面へ向かう名鉄の特急「ミュースカイ」は20時37分発。到着してからわずか23分後の特急に間に合ってしまうのだ。これで行くと、自宅には22時前に着く。うちへ無事着いたら、今回の旅は100%フルにすべてを達成して、いや120%まで超充実した内容で、みごと完結する。

今回の旅の仲間、Y、K、O、Tちゃん、そして、守護してくださった太宰府の道真公に深く感謝しつつ、この項を終える。

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ケラマ 島旅~島 ひと回り・クルマ旅 その2~

座間味島の展望台は、東西南北それぞれあって、これが思った以上に楽しめた。
東西南北、と言うとちょっと違うかな…北は2か所あったし、東は、正しくは、「中」と言った方が良い場所で、島の内湾を囲むようにして東側に延びる半島?型の先端部が遠景として美しく見える場所だった。
ここは「高月山展望台」といい、同じ一帯に南側も西側も展望できる場所がそれぞれあり、南側には昨日泳いだ古座間味ビーチが美しく弧状に広がる眺望が、また西側にはこの村の中心部の全貌が、くっきりと見えるのだった。
この展望台は実は後から二つ目に上がった場所で、西・南・北の展望台と比べると格段に景色が「やさしかった」。
東西南北、というより西南北中の中にあたるこの展望台からは、東方(半島型東部)・南方(緩やかなビーチ)と、中央(島の中心部)を望むことができる、とまとめ直せばよい、って感じかな。どっちにしても、臨む方角は東西南北・全方位なんだ。
で、他の3か所はと言うと、これがまたそれぞれに味わいの異なるダイナミックな光景が展開する。

話をスタート地点に引き戻そう。
われわれ、レンタカーとバイクで島の展望台を次から次へと廻ってゆくつもりだが、何分クルマとバイクである。道はほぼ1本道なんだから迷いようがないだろう、間違えようがないさ、と高をくくっていたら大間違い。しょっぱなから、山へ入っていこうとする分岐の右左折でTちゃんのバイクはわれわれの軽自動車を見失ったのか、スーっと別方向へ行ってしまったのである。
山へ入る直前…海岸通り沿いにある犬の「マリリンの像」までは一緒だったのだが…。これは先が思いやられる…。
しかし、そこはまあ小さな島のこと、何とかなるもので、Tちゃんの走っていってしまった方向にわれわれがコース変更して追いかけ、稲崎(北)、女瀬の崎(西)、神の浜(南西)、そしてチシ(北)と順に展望台をめぐることができた。
最初の稲崎へ到着し、おー、やっといい景色が見えるところへ出たか!と思いきや、展望台がどこかへ消えてなくなっていた(あれ?)。で、展望台跡地?とおぼしき場所の周辺は木が生い茂り何も見えず(あれ?あれ?)。で、さっさと諦め、そこから西へ、長居下り坂を下る途中、右手にやっと大海原の風景が展開し、一同興奮。青空に鮮やかな海の色。沈降山地の地形であろうか、大きく褶曲した大地の先端部が島となって海からぴょこぴょこと飛び出して独特の景観となっている。ほどなく島の西端に到達すると、二つの展望台からの景観は、いずれも驚嘆に値する絶景であった。
南紀串本、越前東尋坊、能登金剛といった、本州で知られる海岸の風景を思い起こさせる。いや、それらと比べ、手つかずの自然がストレートに迫ってくるという点で、それらに勝る強烈な印象を残す。とりわけ今このとき、この南海の島には台風が接近中で、絶壁に次々と打ち寄せては砕ける白波は、北陸の海の寂しさとは全く逆の、何かダイナミックな自然のエネルギーを感じさせた。
途中、南海岸を見下ろすと、磯を歩く一行の姿。それまでとはまた違った、巨岩屹立する岩だらけの海岸伝いに、20人ほどが歩いているではないか。何かの体験プログラム?のようなものだったろうか。や、ただの観光団体であったかもしれない。だがそのさまは、遠景ばかり見てここまで下りてきたわれわれに、俺たちも歩きたい! と思わせるに十分だった。そこで、同じ海岸に出られそうな道を探して、車道脇に車とバイクを止め、海岸をめざした。
すると、またもどこかの惑星に来たかのような、火山性の濃色の岩石がごつごつと露出して足元も左右もすべてが奇怪な光景となっている岩場へ出た。粘板岩か玄武岩なのか、見事な層を成して、あたり一面、すべてが濃褐色の変成岩だ。ガヒ島のところでも、宇宙的な景色と書いたが、ここはまた違う惑星に来たかのような光景が展開する。
磯まで下りて、しばらく遊ぶ。クモヒトデや、小さな美しい熱帯魚や、いろいろな生き物が足元で動いている。これまた昨日見た海中とは異なる、磯で暮らす生き物たちの世界だ。海の図鑑の、また違うページを開いている楽しさを味わえた。

奇観絶景七変化 座間味の磯を行く


阿真ビーチへ出る。遠浅の海岸らしく、大勢の海水浴客が戯れている。海の向こう側は昨日のガヒ島とアゲナシク島だ。カメを見た海域は、ガヒ島とこちらの岸の中間ぐらいのところだったのだろうか。
すばらしくワイドな景色を目の前にして、せっかくだからちょっとここで泳いで行くか、という声が出る。が、ここで泳いでいては後のスケジュールが苦しくなるに違いない。それに、泳ぐ装備はもう片づけた。次へ向かおう。

そして次が冒頭に述べた、内陸部の展望台となる。そこは島の中心部へまた戻って例のメインストリートを抜けてさらに山へと向かった奥にある。ここでようやく他の観光客の姿がちらほら(欧米系の外国人の姿が目立った。さすがミシュラン二つ星)。これまでの展望台が、吹きすさぶ風にあおられて、僕のような、か細い奴は吹き飛ばされそうであったのが、ここはようやく、ゆっくりゆったりと長閑な景色を眺めて写真など撮っていられる場所なのだった。
そして最後は島の北端、チシ展望台へ。
村の中心部とは違ってちょっとリゾート的な感じのする阿佐地区を通り過ぎ、島の最北端へ来た。ここは再びすごい巨岩の景観だ。さっきまで、風は強く、波は嵐の接近を予感させる荒さであったが、空は真っ青な晴天であった。が、ここまで来た時は空も曇り、いよいよ嵐の到来を実感させた。
さっきは能登などを引き合いに出したが、この島の海岸風景は切り立った断崖絶壁がすさまじい迫力であり、アイルランドの有名な断崖絶壁の連続する海岸(は、モハ―と言ったかな)、かくありなむ、と思えるような景観であったと思われたが、ここチシまで来ると、いよいよ荒れた海と風が強烈であり、長居もできず早々にその場を引き揚げるのであった。

充実した展望台めぐりを終え、無事レンタカーを返すと、そこからすぐのところにある小ぎれいな「もずくそば」のお店に上がり、オリオンビールで乾杯した。やれやれ、これでわれわれ5人の旅も終わりに近づいた。
本場のモズクは名古屋で食べるのとは全然別物。実は毎日のように家でモズクを食する自分だが、本物の味わいは、確かに格別のものがあった。もっと落ち着いて味わいたかったが、われわれには、もう残された時間はない。さあ、もう出発しなければならない。


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ケラマ 島旅 ~島 ひと回り・クルマ旅 その1~

さて、翌朝である。
船の欠航が決まれば、役場からの放送が、午前8時にあると聞いていた。
座間味村役場は、あの105ストアーのある、島のメインストリートの中ほどにあり、客室のバルコニー…いや、ベランダからもちょっと向こうに、見える。
だが、8時過ぎても何事もなく、ベランダに干しておいた海パンや荷物を片づけながら待機しているうちに―8時40分くらいになっていただろうか―、結局、今日の泊港からのフェリーが着発、つまり(本来12時着・14時発の運航ダイヤであったのが)着いたら折り返し帰りの客を乗せて13時に出港する、という内容の広報が、スピーカーで島内に放送された。
これでわれわれ5人とも、13時の便で本島に戻ることが決定した。まあ、そうなることは承知のうえで準備していたとは言え、そのときは、どうなることかと危ぶんでいたわけで、いざ時間も決まったとなれば、もう素早く行動するに限る。
チェックアウトを済ませると、Yらが、宿から1分のところにあるレンタカーショップで軽自動車とミニバイクを借りていた。Yらは、僕のようにノンビリしてはいない。ある意味、ゆったりした島時間に、まだ浸っていないのかもしれない。いや、浸る時間なぞなかったであろう。
軽に4人。バイクはもちろん、Tである。島(内)めぐり―島に5つあるという展望台めぐり―に、出発だ。
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ケラマ 島旅 ~五足の靴(マリンシューズ)・仲間旅~

今回の旅の仲間がようやく全員集合して
夜釣りの星空ウォッチングを楽しんだ、という回が終了した。
ところが、である。
大事な行程を一つ、すっ飛ばした。翌日のことだったかと早くも勘違いして、夜の話を先に書いてしまったようだ。
実は、全員が合流したあと、すぐに座間味いちばんのビーチへ行っているのだ。
実は、仲間が到着したその時、翌日の、帰りの船便が台風の接近により、出ない可能性が濃厚である、という知らせがもたらされた。彼らは那覇を出るときに聞いたのだろう。帰りの便、とは那覇へ戻る便のこと。僕以外の四人が乗るはずの、渡嘉敷へ行く村内航路は、すでに欠航が決定したという。だからYはすぐに次の渡嘉敷での宿泊をキャンセルしていた。そして、彼らが帰るその翌日こそ、いよいよ嵐が吹き荒れ、那覇へ戻る便は全く出ないのに違いない。これは戻れるうちに戻らねば。那覇からのエアーだって、止まるのは時間の問題なのだ。
そこでYらは、こりゃのんびりしてはいられない、と、着いたそのときから早速、行動開始。まずは海、海、とばかり、宿からも近い古座間味のビーチへ全員で出動することになったわけである。
古座間味ビーチと言えば、ミシュランのグリーンガイドで二つ星を獲得した、という慶良間諸島一、二を争うであろう美しいビーチなのだから、僕も明日の午前中には是非行こうと思っていた。が、まさかガヒ島へ行ったその日に、夕刻になってまた海に行くとはちょっと思っていなかった。だが、台風接近で明日の行程はどうなるかわからない。
島旅に来たからには、島めぐり(というか島内観光)もしたかった。が、明日の船が出ないとなると、朝のうちに島を出ないと帰れなくなるのかもしれない。今日できること・最優先でしたいことは、何をさて置き、しておかなくてはならないのだ。
そこでまずはメインの海へ、と、Yたちにとってはせっかくここまで来たのだから必須必達。行かなきゃ何しに来たのかわからない!そして僕にとっては希望どおり、で、たとえダブルヘッダーでも充実度2倍。ただ、Kにとっては早くも今日二度目の同じビーチとなるわけだが、まあいいか。今度は、みんなで楽しく海あしび(遊び)。また違う楽しさがあるさ。あるとも。彼はにやにやしながらもう一度みんなとこのビーチへ戻ってきた。こんどはちょっと慌ただしいが、日が暮れるまで時間もないのでみんなそれぞれさっさと真っ白な浜へ下り、シュノーケルセットなど店じまいしようとしていたショップでレンタルしてさっさと海に浸かって行った。
僕はと言えば今度は昼間の無人島でのシュノーケル・フィン・ライフジャケットスタイルとは打って変わって、持参していた競泳用のゴーグルと今度は自分の足で泳ごうと決め、すぐ海にザザ…と入った。
この浜の映像は、ここがことし国立公園に指定された時のNHKニュースで見た。ヨーロッパから来た家族連れが、インタビューに「最高です」と答えて気持ちよさそうに浜に並んで寝そべっていた。まさかそのときは自分がわずか半年後くらいにはその海に来ているとは、思ってもみなかった。そのビーチである。いいなあ、いつか行きたい・Yたちと行けないものかな…との思いが実はそのとき頭をよぎった。その海である。ほんとうに来た!
ビーチの右端に、海に大きく突き出た岩礁がある。これはガヒ島にはなかった環境である。昼間は見られなかった磯の生き物たちが、見られるかもしれない。僕はすぐにそちらの方へ向かって泳ぎ、岩場に辿りつくとすぐそのあたりに潜って海中を探ろうとした。
岩に手を付きながら海中を覗いたら、や、シマッタ…。瞬時に岩で指を切った。血が出てきた。これはYから事前に注意されていたことだ。だから軍手を持って行けとも。
軍手は持ってきた。だが慌てて素手で泳いできてしまった。足はアクアサンダル、というのかビーチシューズというのか、万全なのだが。
持参したバンドエイドを傷口に貼って、再度岩場チャレンジだ。岩礁に上がって反対側へ行ってみたり周りを泳いだりしながら、昼間の海とはまた全然違った南の海のおだやかな海中世界を、見た。
すばらしかった。
いろんな魚がいる。まとまって、水中に浮かんでいる。あるものたちは、すいすいと、流れていく。
イカのような白い細長ーい魚がいた。じっと2匹が並んで海中に浮かんでいた。真上から見ていても逃げようともしない。イカなのかなと思ったが触手がない。そもそも、もっとずっと細長い。(帰ってから書店の図鑑コーナーで、あるカラー写真の本をぱっと開いたら、まさにそいつが載っていた。不思議だ!だが肝心の、名前を忘れた。もっと充実した内容のきれいな図鑑を今度見つけて買おうと思って、それは買わずに来た。帰りに名前を自分の持ち物のどこかにメモしたので安心して忘れていたが、どこに書いたかわからなくなった。)長いと言えば、赤と黒の縞シマのウミヘビが1匹、泳いでいるのも見た。
昼間の海の、どこまでもどこまでも拡がるワイドで優雅な水中世界。こちらはと言うと水族館の大水槽のように、岩場の中にサンゴと海藻と美しい魚たちが立体的に組み合わされた世界が、ちょっと水面の下を覗いただけでそこに別世界のようにひろがる。いろんな魚がまたもや目の前を悠々と泳ぎ去る。
僕は今度は自分の両手で平泳ぎしながら水中を眺めつつ進むので、昼間のように優雅に気楽に浮いてはいられない。落ち着いて見てはいられないのだ。しかし、沖縄・慶良間の海を、自分で思う存分泳いだのは、実に爽快な気分だった。
ビーチのほとんどは、白砂の美しい海岸だ。だが僕はずっと端の方にいて岩場のあたりを何度も行き来し、昼間とはまた違った沖縄の海の魅力を堪能した。
今日来て初めて座間味の海に潜ったみんなも、決して十分な時間ではなかったかもしれないが、この時間で大きな感動と充足感を共有したはずだ。




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